2016.02.29

【ラグビー】サンウルブズ黒星発進も、決死のタックルに未来が見えた

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 自身としては、レベルズ(豪州)時代の2014年以来、2本目のSRトライとなる。「ラッキー」という言葉を繰り返し、ファンの声援に感謝した。

「ライオンズはやりにくかったんじゃないでしょうか。これだけサポートしてくれて、まさに僕らのホームという感じでした。チームのモチベーションになりました」

 顔に充実感があったのは、十分戦えたからだろう。まだチーム練習が3週間というのに、日本らしい低いタックルを軸にディフェンスは機能した。出足よく前に出て、相手のミスを誘発した。コンタクトエリアでも、そうひけはとらなかった。チームコンセプトの「2mフォーカス」、つまり相手に当たったら2mは前に出た。

 アタックもシェープ(連動した攻撃で相手守備網を崩すこと)を重ね、スペースが生まれれば、積極的に勝負に出た。組織プレーと個人技の融合。先発メンバーのうち、ワールドカップ(W杯)イングランド大会経験者が7人。日本代表選手のラグビー理解力、スタンダードの向上を印象付けた。

 特にファンの心を揺さぶったのは、サンウルブズのタックルだったであろう。たとえば、後半中盤のプロップの垣永真之介(サントリー)のゴール前ピンチの猛タックル。大野は吹き飛ばされても、立ち上がって、フラフラになりながら再びタックルにいった。本能だったであろう。見ていて、涙が出そうになった。

 堀江主将が言った。

「期待に応えるためにも、いい試合をしたかった。絶対勝つという気持ちでした。抜かれたら戻って、倒されたら立ち上がって......。何度も何度も。信頼できる仲間がたくさんできたなという感じです」

 でも......と言葉を足した。「結果がついてこなくて、非常に悔しいです」