【ラグビー】大東文化、明治、東海は帝京大の7連覇を止められるか (2ページ目)

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji

 丹羽監督は北海道に家族を残し、単身、東京の寮で学生たちと一緒に暮らして「きちんと食事を摂る。しっかり寝る。挨拶する。整理整頓する。勉強との両立をしっかりする」と生活面の規律から選手たちを指導する一方で、小村HCがボールを動かす新しいスタイルを貫いてきた。当然、ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチ、管理栄養士も常勤となり、個々の選手のサイズとフィットネス強化を促した。

 また、今シーズン、特にフォワード(FW)の選手にとって「存在は大きい」と言わしめているのが、元サントリーの元申騎(げん・しんき)コーチの就任だった。2012年度に選手を引退、2013年度はサントリーのFWコーチを務めた熱血漢で、セットプレーや接点での細かな足の位置などを指導。12月20日の流通経済大戦の週にはFW陣がサントリーに出稽古するなど、セットプレーの強化に余念がない。

 大会前、丹羽監督が「『失速明治』を払拭したい。勝つも負けるも明治大に原因がある。1月2日に秩父宮ラグビー場に戻ってくる」と語っていたように、今年度は、昨年度に比べてピーキングも上手くいっている。それも一昨年、昨年の失敗を糧にしたからこそであろう。

 人材も揃っている。FWにはセットプレーの要フッカー(HO)中村駿太主将(4年)、U20日本代表歴もあるプロップ(PR)塚原巧巳(4年)、小柄だがジャッカルが武器のナンバーエイト(NO8)松橋周平(4年)ら最上級生が引っ張る。またバックス(BK)は、高校時代には日本代表合宿に招聘されたセンター(CTB)梶村祐介(2年)、三拍子揃ったスタンドオフ(SO)/フルバック(FB)田村熙(4年)、スピードだけでなく力強さも出てきたウィング(WTB)成田秀平(3年)らもいる。

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