エディー・ジョーンズHCの後任へ。ラグビー指揮官候補2人の経歴と評判 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●文 text by Saito Kenji  photo by AFLO

「友人の知り合いで高校時代から知っていますが、紳士でストレートに話す人。スーパーラグビーで連覇も経験して、勝つ文化も知っている。接しやすい人です」。

 まだ43歳と若く、スーパーラグビーの舞台でリベンジしたい気持ちもあろう。「日本を知る」という条件を満たしているとは言えないが、日本人コーチも入閣させれば、その点はクリアできるのではないか。

 一方、日本代表のHCには、現段階ではどうやらジョセフが第一候補のようだ。「優先順位を付けて交渉にあたっている。年内には決めたい」(坂本専務理事)と言うように、順調に進めば、年内または年明け早々に発表があるかもしれない(ジョセフは2016年までハイランダーズの契約が残っているため、その部分をクリアする必要はある)。

 ジョセフは、現役時代はLO(ロック)、FL(フランカー)、そしてNO8(ナンバーエイト)でプレー。フィジカルを武器にオールブラックスとしては20キャップを誇り、1995年のワールドカップでは準優勝を経験した。1996年に来日し、2002年までサニックス(現・宗像サニックス)でプレーし、日本代表としても1999年のW杯に出場、9キャップを持つ(当時は今と違って、2カ国の代表選手になることができた)。

 選手引退後、ITM杯(NZ国内のプロリーグ)のウェリントン代表やマオリ・オールブラックスのHCを歴任し、2011年にSH(スクラムハーフ)田中史朗(パナソニック)が所属するハイランダーズの指揮官に就任した。しかし、2011年は8位、2012年は9位、2013年は14位と低迷。それでもジョセフが首を切られなかったのは、人間性が評価されてのものだろう。2005年に三洋電機(現パナソニック)でもプレーしたトニー・ブラウンがBKコーチに就任してパナソニックのスタイルを一部持ち込むと、2014年シーズンは6位、2015年シーズンは4位と順位は上昇。2015年はプレーオフを制して、ハイランダーズは初の優勝を成し遂げた。

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