エディー・ジョーンズHCの後任へ。ラグビー指揮官候補2人の経歴と評判 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●文 text by Saito Kenji  photo by AFLO

「世界と日本を知る指揮官」という条件をクリアしている人材はそういない。本命視されていたのは現パナソニック監督で、スーパーラグビーでクルセイダーズ(NZ)を5度の優勝に導き、オーストラリア代表HCの経験もあるロビー・ディーンズ。しかし、現在56歳のディーンズは、スーパーラグビーにも国際舞台にも戻る意思はなかったようで、口説き落とすことはできなかった。

 サンウルブズのスーパーラグビー参戦は日本代表強化が目的の一つであり、来年の2月末からリーグ戦は始まる。早く指揮官を決めないといけないが、日本代表と連携を取ることができなければ意味はない。時は刻々と進んでいった。サンウルブズに関する記者会見は12月1日と噂されていたが、21日にずれ込んだ。

 そして、結局は冒頭で書いたとおり、サンウルブズはハメット、日本代表はジョセフという元オールブラックスの2人で落ち着くことになったようだ。

「候補者は複数いる」と坂本専務理事は言うものの、契約がまとまれば、ハメットの就任は21日の記者会見で発表されるのではないかと推測されている。ハメットは、現役時代はHO(フッカー)。1996~2003年までクルセイダーズでプレーし、3度のスーパーラグビー優勝を経験。オールブラックスこと、ニュージーランド代表としても29キャップを誇り、1999年、2003年のW杯に出場している。現役引退後は、ディーンズ氏の下でクルセイダーズのアシスタントコーチを経て、2011~14年までハリケーンズ(NZ)のHCを務めたが、9位、8位、11位、7位と芳しい成績を収めることはできなかった。

 ただ、ハメットをよく知るニュージーランド育ちの日本代表SO(スタンドオフ)小野晃征(サントリー)はこう評価する。

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