W杯戦士も出場のラグビー早明戦。「明大有利」の逆転はあるか?

  • 斉藤健仁●文 text by Saito Kenji  photo by AFLO

 大学ラグビー界では、帝京大が食事・栄養面の摂取を含めたグラウンドや寮などの環境面、人材のリクルート、コーチング、ストレングス&コンディション(S&C=フィットネス、フィジカルトレーニングなどを含めた総合的なトレーニングとコンディショニング調整)をリードしており、大学選手権を6連覇中だ。「(S&Cに関して)帝京大はよくやっている。東海大はまあまあかな」と、かつてエディー・ジョーンズ元日本代表ヘッドコーチ(HC)は言っていた。

 ただ、明大もまだ照明設備こそないものの、もともと高校日本代表が多数入部するリクルートには定評があり、人工芝のグラウンドと寮も完備されている。3年前に丹羽政彦監督が就任すると、寮に泊まり込み、よりいっそうの整備を進めた。グラウンドレベルではトップリーグ、キヤノンでのコーチ経験もあるOBの小村淳氏がヘッドコーチに就任し、ボールの動くラグビーを指向。ようやく管理栄養士も常勤となり、2年前からは元U‐20日本代表S&Cコーチの坂井裕介氏が選手たちを鍛え上げてきた。

 昨季も古豪復活の気配はあったが、大学選手権セカンドステージで筑波大に7-43の大敗。特に接点の部分での劣勢が響いた。「春に勝ちグセをつけることはよいことだと思いますが、もっと基本的なところからやらなければならない」。そう語っていたのは、FBとして後方からチームを引っ張る、日本代表センター(CTB)田村優の弟、田村熙(4年・国学院栃木)だ。その言葉を裏付ける通り、今年から、サントリーのFWコーチだった阮申騎(げん・しんき)氏を招聘。NO8松橋周平(4年・市立船橋)を筆頭に1対1のタックルの強さ、接点での激しさは目を見張るものがあり、大きくボールを動かすラグビーを支えている。

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