女子アナ殺到、グッズ売り上げ7倍......五郎丸フィーバーの真実

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji

 しかし8分、すぐにヤマハが再びトライを挙げて、また五郎丸にゴールのチャンスが訪れた。今度は角度が良かったこともあり、いとも簡単に決めた。なお、このゴールで五郎丸は、元サントリーのセンター(CTB)ニコラス ライアン(現三菱重工相模原)以来のトップリーグ通算2人目となる1000得点を達成した。「1000得点というのはチームが僕にチャンスをくれたから。それを8年かけて積み上げてきたものなので、個人のタイトルというよりはヤマハ発動機ラグビー部のタイトルと受け止めています」と、快挙達成にも、まったく喜んだそぶりを見せず、五郎丸らしくクールにチームに感謝した。実は昨シーズンの最終戦で、五郎丸は簡単なキックを外していた。あれは開幕戦を盛り上げるために、もしかしたら、今シーズンの開幕戦に取っておいたのかもしれない……。そんな勘ぐりをしたくなるくらい、やっぱり「スターとなる人は持っている!」と思わせた。

 雨の影響もあって、時折、五郎丸は陣地を回復させるキックを蹴るものの、ミスキックもあり、ランでは相手のタックルをもろに受けてしまうなど、特筆すべき活躍を見せることができなかった。五郎丸がボールを持つと相手選手が「ごろうまるっー!」とプレッシャーを掛けるなど、マークもされていた。五郎丸のミスを誘えば、流れを引き寄せられると思ったのかもしれない。

 後半に入るとトヨタ自動車が反撃したものの、試合は18-11でヤマハ発動機が逃げ切った。五郎丸はMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に選ばれることはなかったが、試合終了後、ワールドカップに出場した五郎丸とCTBマレ・サウに花束が贈呈され、混乱を避けるため、五郎丸選手の会見が特別に行なわれた。

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