【ラグビー】男子セブンズ、「空前の注目度」のなかのリオ五輪切符!

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu    志賀由佳●写真 photo by Shiga Yuka

 特に今年6月からは約100日に及ぶ強化合宿、遠征が行なわれた。その猛練習で、スタミナと互いの信頼感も生まれた。さらに昨季、ワールドシリーズで強豪チームと戦い、接点での見極めやボールの継続、判断力が備わっていた。信頼はディフェンスでの「面」となった連携プレーに見て取れた。

 アタックに関して言えば、通算9トライで「トライ王」に輝いた快足の松井千士(同大)を軸にスピードで他チームを圧倒した。松井はW杯メンバーから外された悔しさをバネにたくましくなった。

 20歳の松井は「W杯には負けたくない。セブンズも絶対、活躍してやろうという気持ちでやりました。(トライ王を)有言実行できてよかった」と微笑みながら、さらなる成長を誓う。「でもフィジカル面はまだまだ。ここは一気に強化してやろうと思います」

 戦力でいえば、トンガ系でニュージーランド生まれのレメキ・ロマノラヴァ(ホンダ)、フィジー出身のトゥキリ・ロテ(北海道バーバリアンズ)の帰化組の存在が大きかった。

 15人制のW杯メンバーからセブンズ日本代表となった22歳の藤田慶和(早大)も光り輝いた。試合後は、日の丸の旗を背中に巻いて、笑顔をふりまいた。左手に巻いたテーピングテープには黒マジックで<2016OLYMPIC>と書かれていた。

 いつもポジティブな藤田は「2日間、楽しめました」と振り返った。「でも、ここがゴールじゃない。オリンピックへのスタートラインに立てだけです。(リオ五輪では)やるからには金メダルを目指して頑張りたい」

 若武者のコトバは、選手たちの気持ちを代弁しているのだろう。どのようにリオ五輪で目標のメダルを獲れる体制を作るのか。五輪の舞台には、ワールドシリーズで勝てなかった強豪が勢揃いする。し烈なメンバー争いを含め、さらにチームとしてのレベルアップが求められる。

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