【ラグビー】W杯の上昇気流に乗れ! 男子セブンズ、リオ五輪へ (2ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu

 男子は昨季、初めてワールドシリーズに参戦し、チーム力を高めた。9月から始まったアジアシリーズでは、中国、タイ、スリランカの3大会で連続優勝した。今年は春からざっと100日の合宿、海外遠征をやってきた。セブンズ日本代表で10年以上、戦ってきた桑水流(くわずる)裕策主将(コカ・コーラ)は「これまでにないほどの、いい準備ができた。W杯メンバーも合流して、新しい刺激もチーム内に生まれた。日本で起きているラグビーの波を我々が大きくしたい」と自信を膨らませる。

 アジア予選には10カ国・協会が出場する。組分けは日本の最大のライバルとなるホスト協会・香港が有利となっている。A組の日本はプール戦で、初日に中華台北(台湾)、シンガポール、韓国。最終日(2日目)には中国と戦った後、準決勝、決勝を戦うことになる。セブンズは試合時間が短く、勢いに乗ったほうが勝ってしまう怖さがある。

 初日のヤマ場は最後の韓国戦。韓国は五輪出場には目の色を変える若手主体の編成で、フィジカルが強く、勢いに乗ると手がつけられなくなる。勝負のポイントは先取点を取ること。さらには確実なプレー、特にタックルミスをしないことである。

 2日目の初戦は、日本が課題としているところで、よく苦戦する。中国は身体能力が高い。この試合も『入り』がカギを握る。順当にプール1位で勝ち上がれば、準決勝ではスリランカとの対戦が濃厚。スピードがウリのチームなので、まずはセットプレー(キックオフとスクラム、ラインアウト)、コンタクトプレー、ブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)でプレッシャーをかけることが大事だろう。

 決勝の相手は、おそらく香港となるだろう。完全アウェー。ほとんどがセブンズのプロ選手で、マックイーン兄弟ら勝負強い選手がそろっている。ブレイクダウンのスキルが高く、コンタクトエリアから勝負を仕掛けてくるだろう。シンプルにきっちり対応すれば、それほど怖くはない。ディフェンスでの規律がカギを握るだろう。

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