エディー・ジャパン密着40日。五郎丸の「涙」と廣瀬の「献身」 (5ページ目)

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji

 12日、30分という短い総括会見を行ない、日本代表は帰国の途についた(正直もう少しやってほしかったが……)。やはりクライマックスは、今大会で一気にスターダムにのしあがったFB五郎丸歩の涙であろう。

アメリカ戦後のインタビューで、涙を流した 五郎丸歩アメリカ戦後のインタビューで、涙を流した 五郎丸歩
 前日の試合後のショートインタビューでも「我々の目標というのは……、決勝トーナメントに行くことだったので……」と嗚咽し、この日も「周りの方に支えてもらったことを忘れずに……」と涙し、「前に進みたいと思います」と気丈に言った。決勝トーナメントに進出できなかった悔しさ、ジョーンズHCやこのメンバーと一緒にプレーできる最後の日を迎えた寂しさ、周りの方々に支えてもらった感謝の気持ちなど、さまざまな感情が混ざり合っていたはずだ。

 12日の夜、日本代表はヒースロー空港から羽田空港へ向けて出発。13日の午後、帰国した。帰国したときに出迎えたファンは500人に及んだという。私は翌日に帰国し、日本代表とともに戦った40日間は幕を閉じた。テレビで準々決勝を見ると、やはり日本がオーストラリアと「聖地」トゥイッケナムでプレーしている姿を見たかったと心から思った。

 ただ、日本ラグビー全体が強くなったわけではない。「エディー・ジャパン」が強かっただけである。2019年の自国開催はベスト8に、そして、その後もラグビーの強豪国になれるか。今後の4年にかかっていると言えよう。
(おわり)

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