エディー・ジャパン密着40日。五郎丸の「涙」と廣瀬の「献身」 (4ページ目)

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji

 4日、再び合宿地に戻った日本代表だが、やはり、自力で決勝トーナメントに進出できないためか、集中できない選手もいたという。4日、5日は調整。ジョーンズHCが「コントロール外のことは気にしない」と語り、6日から11日のアメリカ戦に向けて準備が始まった。

 9日、エディー・ジャパン、最後のメンバー発表があった。CTBクレイグ・ウィング、大学生のWTB藤田が先発に名を連ねた。チームを4年間引っ張ってきたWTB廣瀬、そして3人目のHO湯原祐希の名前はなかった。湯原は4年前のW杯で試合に出場していたので、できれば廣瀬だけでも使って欲しかったが、指揮官に温情人事はなかった。廣瀬選手はいつもと同じ表情で、「この経験が次に生きるはず」と言っていた姿が胸を打った。最後の試合もロッ カールームを片付けていたという。

 10日、この2ヶ月で3度目のグロスターへと移動し、前日練習を行なった。練習後、メディア控え室のテレビでスコットランド対サモアを見た。選手たちもホテルで、みなで見ていたという。スコットランドが勝ち、日本のベスト8の可能性はなくなった。正直がっかりしたが、予選プールBの順位は南アフリカ、スコットランド、日本、サモア、アメリカと決まった。日本はプール3位となり、2019年大会の出場権を自力でも獲得した。

 11日、 「消化試合」となったが、日本は最終戦となるアメリカと対戦した。メンタル的に難しい試合だが、試合直前にジョーンズHCが「プライドを持って戦おう」と涙を流したという。そのため、選手たちは気合いが入りすぎた面もあったようだ。アメリカは、4日前の南アフリカ戦でメンバーを落とし、日本戦では13人も先発を入れ替えたベストメンバーで臨んだ。しかしそんなアメリカに対しても、日本は実力を見せつけて、W杯3回目の対戦で初めて28-18で勝利し、有終の美を飾り、3勝1敗で大会を終えた。

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