エディー・ジャパン密着40日。五郎丸の「涙」と廣瀬の「献身」 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji

 サモア戦まで中9日もあり、選手たちにもある程度自由時間が与えられた。競技発祥のラグビー校の見学に行く選手、家族とともにランチをする選手、散髪したり、サバイバルゲームをやったり、ゴルフをしたりする選手もいるなど、おのおの自由時間を過ごしていたようだ。筑波大の情報学群に在籍し、ゲーム好きとして知られる福岡選手は現地にPS4を持ち込み、最新ラグビーゲーム「Rugby World Cup 2015」を購入し、何人かと楽しんでいたという。

 こうして1週間はあっという間に過ぎていき、10月1日にサモア戦のメンバーが発表。やはり先発は南アフリカ戦と13人が同じ。2日にはミルトン・キーンズに移動し、3日、いよいよサモア戦当日を迎えた。もともとこの試合と4試合目のアメリカ戦はチケットが余っていたようだが、南アフリカ戦後にほぼ売り切れたという。スタジアムには日本のユニフォームや日の丸の鉢巻きを着けた地元ファンが多かった。

 サモア戦は互いに勝ち点4で並んでいたため、負けると予選プール敗退が決まってしまう。勝たなければいけない試合で、日本は完全にゲームを支配して、26-5 で完勝した。もちろん、W杯でサモアに勝ったのは初めてのこと。2012年、ジョーンズ体制になってからもサモアをはじめ、フィジー、トンガといった身体能力に長けた太平洋諸国のチームには1勝7敗と大きく負け越していただけに、大きな成長を感じた一戦となった。南アフリカ戦がフロックでなかったことを世界に証明して見せた。

 これで2勝1敗。ただ、3試合を通して、ボーナスポイントを得ることはできず、10日にスコットランドがサモアに勝つと敗退が決まってしまうという状況になってしまった。

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