エディー・ジャパン密着40日。五郎丸の「涙」と廣瀬の「献身」

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji

 世界最古の男子校と言われるウォリックスクールで、25日から練習が開始された。だが、公開は室内でのトレーニングやスピードトレーニングなどに限られ、以前より情報は出てこなくなった。そんな中、ニュースを提供してくれたのがWTB山田章仁選手だった。南アフリカ戦で大活躍したが、スコットランド戦を欠場した山田本人が、26日にその理由を「海に入って毒魚に刺されたから」と暴露。ジョーンズHCは「夢を見ていたのでしょう」と語ったが、刺されたことは事実だったようだ。

 スコットランド戦、担架で運ばれたマフィ選手の状態がどうなのか......気になっていた。大きな打撲だったようだが、トレーナー陣が1日3回マッサージをすることで回復したという。SH田中史朗、HO堀江翔太も少しケガをしていたようだ。やはり南アフリカ、スコットランドと中3日で戦った代償は大きかったのだろう。だが、メディカルチームの頑張りにより、試合に出られる状態まで回復した。結局、スコッド31名中、誰もケガのために帰国した選手がいなかったことが好結果に結びついた。そこには裏方たちの懸命な仕事があったのだ。

 控え選手もそう。サモア代表対策としてSO/WTB廣瀬俊朗(としあき)選手は、違う色のビブスを着て相手のキーマンであるSOトゥシ・ピシならぬ「トシ・ピシ」に、WTB藤田慶和選手は相手のFBであるティム・ナナイウィリアムズ役として、練習に参加。試合に出られない選手もチームに貢献した。廣瀬選手はメンバー外になると、次戦に対戦する相手の試合を分析して、他のメンバー外の選手たちとその情報を共有して練習に臨んでいたという。試合に出る23人だけでなく、選手個々が自分の役割に徹していたことが強さの要因だった。

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