エディー・ジャパン全57試合取材の記者が語る「英国での40日」

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji

 ジョージア戦で日本代表はこの10ヶ月の練習の成果を発揮し、見事なスクラムを組み、フィジカルでも真っ向勝負。ケガからの復帰戦となったNO8アマナキ・レレィ・マフィがモールから逆転トライを挙げて13―10で勝利。FWの選手がのちに「この試合が大きかった」と振り返ったように、特にスクラムとフィジカルで戦えることが証明でき、本番に向けて大きな自信を得た試合となった。ただ、BKに展開してトライを挙げることはできず、ディフェンス面も含めて、まだまだ課題があるとも思った。

ジョージアに逆転勝ち。この試合のパフォーマンスで、 FW陣は自信を持ったジョージアに逆転勝ち。この試合のパフォーマンスで、 FW陣は自信を持った

 6日から日本代表はブリストルで合宿を行なった。テーマは「明確化」。セットプレーから、HO堀江翔太が重要な役割を果たす新しいサインプレーをチーム全体で確認。実際にこのサインプレーで、本番では相手のPGやイエローカードを誘い、さらに、最終戦のアメリカ戦になると、裏のプレーでゲイン。他にも地元チーム(2部)相手にFWはスクラムやラインアウトのセッションを行なっていたが、日本代表の選手たちから「(相手は)あまり強くない」という本音が聞こえてきて、少し不安になった。

 11日、 初戦の地・ブライトンに選手たちは移動した。その夜、歓迎セレモニーがあったが、エディー・ジョーンズHCがいきなりキレた。選手たちが記念のキャップとメダルを受け取って満足げだった顔とは対照的。式典ではW杯と日本代表の過去の名シーンが流されたが、ジョーンズHCがオーストラリアを率いていた時代に決勝で負けたシーンが出て、日本のビデオも24年間勝利をしていないため、当然、よいところはない......。さらに不手際で、日本の映像がもう一度再生されてしまい、司会者が場をつなぐため「もう1回見たいですよね?」と言ったことが、どうやらバカにされたと感じたようだ。選手たちが浮かれていた姿を見て、少し気合いを入れたかったのかもしれない。

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