【ラグビーW杯】アメリカ戦。初先発のホープ、藤田慶和が駆ける (2ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤 龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 米国戦のポイントのひとつが、バックスリー(両WTBとフルバック=FB)の攻防となる。米国は7人制ラグビーの経験が豊富なFBクリス・ワイレス主将、WTBザック・テスト、ジンバブエ出身のスター選手であるWTBタクズワ・ングウェニアと運動能力の高い選手を揃える。日本のそれは藤田とWTB松島幸太朗(サントリー)、そして藤田の兄貴分のFB五郎丸歩(ヤマハ発動機)。藤田は「3人でコミュニケーションをとって、いい連係で守って、アタックをしていきたい」と言う。

 特に警戒したいのが、ミスやターンオーバーからカウンター攻撃を許した時のディフェンス。ラインの裏のスペースをどう守るかもポイントとなる。

 五郎丸は「4年も一緒にいれば、改めてコミュニケーションをとらなくても、(藤田が)何をしたいかがわかる。その辺は楽しみにしてください」と自信をのぞかせる。五郎丸は目下、W杯日本人最多得点記録となる大会通算45点を記録している。好調の波に乗っており、「我々は『日の丸』というものを背負っていますので、プライドをグラウンドでしっかり表現したい」と言い切った。

 誇り高き米国はここまで3戦3敗ながら、決して侮ることはできない。過去の対戦では米国が2戦2勝(1987年大会、2003年大会)。7日の南アフリカ戦では主力を温存し、日本戦にベストの布陣を組んできた。つまり心身ともにコンディションは悪くない。

 米国のFWは大型でパワフル、かつフィジカルも鍛え込まれている。ナンバー8のサム・マノア(198センチ、122キロ)が怖い。バックスには7人制ラグビーの経験選手が多いこともあって、スピード豊かな攻撃力を持っている。序盤、勢いに乗せると手がつけられなくなる。カギとなる選手は、巨漢センター(=CTB)のスレトン・パラモか。


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