【ラグビーW杯】母国の代表の座を捨ててまで日本を選んだ男たち

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji  photo by Getty Images

 U20トンガ代表歴があり、一時はトンガ代表からも声がかかっていた。しかし、「日本代表としてワールドカップに出たい。そしてジョーンズHCのもとでラグビーがしたい」と、桜のジャージを選んだ。マフィの家族は16人きょうだいで、自身は15番目。今年の春に日本人女性と結婚した。焼肉が大好きなマフィは、愛称「ナキ」の呼び名でラグビーファンから親しまれている。

 以上、さまざまな経緯を辿りながら、日本に来日した外国籍の「桜の戦士」たち――。異国の地でラグビーをしている彼らの背景を想像してほしい。家族と離れ、母国で代表になる権利を捨ててまで日本代表の一員になることを選び、試合前に君が代を大声で歌い、身体を張って戦っている。そうして今、彼らはワールドカップのフィールドに立っている。

 チームメイトの五郎丸はツイートをした理由を問われたとき、こう答えた。

「2019年に向けて、クリアしないといけない問題だと思います。勝った、負けただけでなく、2019年に向けて日本代表がどういう道を進まなければいけないか......と考えたとき、『なぜ外国人が入っているんだ』という見られ方をどうしてもされてしまう。

 メディアのみなさんが注目してくれることによって、『ラグビーというのは、こういうスポーツだ』という理解が広まるし、ラグビー人気を復活させるために僕ら日本代表は、『歴史を変えるんだ』という気持ちでやってきました。そういう思いを込めて、ツイートしました」

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