【ラグビーW杯】今大会必見「ワラビーズの15番」に注目せよ! (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji  photo by Getty Images

 15人制ラグビーとの違いを簡単に説明すると、13人制ラグビーは形式上のスクラムはあるものの、ラックやモールはなく、15人制よりもランとパスからのトライに特化している。また、タックルが6度成立すると、攻守が入れ替わるルールも存在する。そのため、個々のランや突破力、タックル力に優れた選手が多く、日本代表(エディー・ジャパン)の攻撃の戦術である「アタック・シェイプ」も、もともと13人制ラグビーで採用されていたものだ。

 2011年のW杯ニュージーランド大会を制したオールブラックスの優勝メンバーのひとりで、「最もセクシーなラグビー選手」と呼び声の高いCTB(センター)ソニー・ビル・ウィリアムズも、もともとは13人制のプロ選手だった。だが、自国開催のW杯のために15人制でプレーし、見事にオールブラックスの優勝に貢献したのである。その後、彼は日本のパナソニックでプレーし、再び13人制に戻ったあと、また今回のW杯の前にオールブラックスに戻ってきた。そして今回のW杯後は7人制ラグビーに挑戦し、リオデジャネイロ五輪で金メダルを狙うという。フォラウ同様、力強いランと強烈なタックル、そして彼の代名詞となっている「オフロードパス」が武器だ。

 また、今大会のイングランド代表に選ばれたCTBサム・バージェスも、13人制で活躍した後、昨年15人制に転向して今年8月に代表デビューを果たした選手である。所属チームではFL(フランカー)として出場した経験もあるように、強烈なタックルと突破力が武器だ。イングランド代表の優勝のカギを握っているのは、この男なのかもしれない。

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