【ラグビーW杯】前回覇者オールブラックスは「内弁慶」を克服できるか (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji  photo by AFLO

 ただ、不安な点がないわけではない。まずは過去7大会のW杯優勝チームと開催地、そしてニュージーランド代表の成績を見てほしい。

開催年/優勝チーム(開催地)/ニュージーランド代表の成績
第1回@1987年/ニュージーランド代表(ニュージーランド&オーストラリア)/優勝
第2回@1991年/オーストラリア代表(イングランドetc.)/3位
第3回@1995年/南アフリカ代表(南アフリカ)/準優勝
第4回@1999年/オーストラリア代表(ウェールズetc.)/4位
第5回@2003年/イングランド代表(オーストラリア)/3位
第6回@2007年/南アフリカ代表(フランスetc.)/ベスト8
第7回@2011年/ニュージーランド代表(ニュージーランド)/優勝

 このように、ヨーロッパで開催されたW杯でオールブラックスは1度も決勝に駒を進めていない。完全なる「内弁慶」なのだ。

 優勝候補の筆頭だけに、予選プールCは難なく突破するだろう。ただ、一発勝負となる準々決勝がターニングポイントとなりそうだ。予選プールDを2位で突破すると予想されるフランス代表かアイルランド代表、彼ら欧州勢との対戦がひとつ目の山場となる。

 もちろん、ハンセン・ヘッドコーチ(HC)も前回大会の優勝メンバーだけに頼っているわけではない。W杯メンバーを選出するにあたり、バックスリー(※)にはWTB(ウイング)チャールズ・ピウタウ、FB(フルバック)コーリー・ジェーンと実績のある選手を選ばず、今年7月まで0キャップだった2選手を大抜擢した。今年のスーパーラグビーのトライ王で、ハイランダーズの優勝に貢献したWTBワイサケ・ナホロと、準優勝したハリケーンズのWTBネヘ・ミルナースガッターである。

※バックスリー=WTBとFBを合わせた総称。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る