【ラグビーW杯】エディー・ジョーンズが残した「最大の功績」とは? (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji  photo by AFLO

 ウェールズ代表に勝ったときも、イタリア代表に勝ったときも、そして今年9月5日のジョージア代表戦でも、最後まで走っていたのは日本代表だった。このジョージア戦では、スクラム、モール、フィジカルで互角に張り合うことができた。その結果、後半37分に逆転して13-10で勝利したことは、W杯に向けて大きな弾みとなったことだろう。

 ジョーンズHCが日本代表を変えたのは、体躯だけでない。世界で戦うために、メンタル的にもタフになった。選手が練習や試合をした際にはGPSで動きを測定され、世界のスタンダードと比較され続けてきた。毎秋には欧州に遠征し、アウェーでの戦いを経験した。そして、日本代表選手を積極的に海外へとチャレンジさせたことも、功績として大きい。

 日本人初のスーパーラグビープレーヤーとなったSH(スクラムハーフ)田中史朗とHO堀江翔太は、所属するパナソニックの後押しと自らの熱意で海外に挑戦したが、今回選ばれた31名のW杯メンバーのうち、実に9人がこの4年間でスーパーラグビーのチームに所属した経歴を持つ。また、スーパーラグビーや欧州のクラブに短期留学した選手もいる。世界で戦ってきた選手は周りの選手にも好影響を与えていると、ジョーンズHCは語った。

「選手たちのマインドセット(心構え)が変わりました。世界のスタンダードになり、世界レベルの選手も出てきました。より良くなりたい、学びたいという気持ちを持って練習しています」

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