【ラグビー】大畑大介が語るW杯「希望を込めて、日本は3勝2敗」 (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 石山慎治●写真 photo by Ishiyama Shinji

――そういえば、大畑さんは2007年のW杯直前、古傷のアキレス腱を断裂しました。

大畑 あの時はW杯でピッチに立つことが目標ではなく、チームが勝利するために何ができるかということを考えて、途中でアウトになったら仕方ないという覚悟を持って挑んでいました。それが僕の美学です。自分の存在意義を確かめるのがW杯でした。だから後悔はしていません。僕はW杯で勝ちたかったんです。もし出場してW杯で勝っていたら、正直、あのシーズンで(現役を)辞めていたでしょう。

――日本代表は昨年、世界ランキング9位まで上昇しました。どう見ていますか?

大畑 評価通りの力だと思います。これまで日本のウィークポイントのセットプレーが改善されたことが大きい。僕は日本人の勤勉性というか、自分たちで型にはめたことをやり切る能力が、すごく飛び抜けた民族だと思っています。その部分が今までできなかった。でも、スクラム、ラインアウトで計算できるところまでいった。土壌ができたことは大きいでしょう。変わったのは、自分たちで決めたことは最後までやり切るという意志の強さです。それは何より、エディーの力です。がちっと型にはめて、やり切っています。正直、僕がそこに入ってやりたいかといったら別ですよ。選手はきついやろなと思う。
先日、現役ではない選手と話したんです。「大介、今の代表だったら、どうだった?」と聞かれたから、「ちょっと、もたへんやろうね……でも、ちょっといいやろうね」って(笑)。とにかく、勝てる代表でプレーできるというのはいい。羨ましい。

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