エディー・ジョーンズが語る「日本代表、W杯8強への道すじ」 (4ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 濱田陽守●写真 photo by Hamada Kiyoshi

――ベスト8進出の“方程式”ができているのですね。チーム作りの一環として、エディーさんは“リーダーズグループ”を作っています。その狙いは?

「ワールドカップでは、自分たちで自分たちをマネジメントすることが必要です。もしも南アフリカ戦で最初の20分間、試合展開が思うようにいかなかった時、私がフィールドに降りていってあれこれ言うことはできません。メッセージを伝えるにしても最小限です。フィールドの選手たちが自分たちで問題解決にあたらないといけません」

――それは結構、難儀なことですよね。

「その通りです。2011年大会のトンガ戦(●18-31)で私は衝撃を受けました。戦前は日本が勝つと予想されていた。でも、試合の頭からトンガはフィジカルで思い切ってジャパンにぶつかってきました。ジャパンは混乱し、何の対応もできませんでした。その試合では、誰一人、リーダーシップを発揮できませんでした。今年の大会ではそれを選手がやらないといけません」

――だから、トレーニングの段階からリーダーズグループを作っているのですか。

「日本人の選手を見ていると、リーダー気質は自然には生まれないと思うのです。伝統的な日本のチーム作りを見ると、監督が選手1人ひとりに何をするのかを指示しています。それは大舞台では通用しないのです」

――宮崎合宿ではハードワークが続いています。選手に休養はいらないのですか。コンディションの心配は?

「まだコンディションを考える時期ではありません。今はハードワーク、ハードワークです。7月になれば、コンディションに配慮していきます。それまではチームの基礎作りです」

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