エディー・ジョーンズが語る「日本代表、W杯8強への道すじ」 (2ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 濱田陽守●写真 photo by Hamada Kiyoshi

――エディーさんは過去のW杯で、オーストラリア代表を率いて準優勝(2003年)、南アフリカ代表のコーチとして優勝(2007年)を果たしました。強豪国で優勝のプレッシャーと戦ってきた。でも今回の日本代表は違います。これまでと違うモチベーションはありますか?

「やはり個人的に私は日本に近いところにあります。(故郷の)オーストラリア以外で、一番愛着が湧くのは日本です。
 1995年に初めて日本に来ました。その後、オーストラリアに帰国し、2009年にサントリーにフルタイムのコーチで戻ってきました。その時、日本のラグビーが非常に弱体化している姿にショックを受けました。本当にショックだったのです」

――弱体化。具体的に言うと......

「サントリーに戻った時、選手は怠けていて、チームミーティングでは居眠りする選手もいました。トレーニングを50%の力でやる選手もいた。大学のラグビーを見ると、また同じく怠けていて、モチベーションに欠けていた。でも、大きなポテンシャル(可能性)はあったのです。日本ラグビーの構造を変えることはできないけれど、周りのチームに変わるきっかけを与えるため、お手本のチームを作ろうと思いました」

――日本ラグビーを変えたいと。

「そうなってしまった責任を誰にも押しつけることができません。なぜかというと、日本ラグビーはほとんど国内にしか目を向けていなかったのでしょう。大学ラグビーといっても、日本国内で戦える選手を作っているだけで、本当に世界に通用するプレーヤーを育てていませんでした」

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