【ラグビー】『ネバー・ビー・ハッピー』エディー・ジョーンズ流指導とは? (5ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 濱田陽守●写真 photo by Hamada Kiyoshi

――ターゲットは、W杯の日本の初戦、9月19日の南アフリカ戦です。すべてはそのための準備の一環です。完成形のイメージは?

「南ア戦では、コンタクトから素早くボールを動かしたい。スペースにボールを運ぶ。ゲインラインを勝ち取って、もう一度ボールを動かして、スペースにボールを入れて、ゲインラインを奪っていく。試合開始から20分のところで10点から15点をリードする。そうしたら、勝利が見えてきます」

――素晴らしい。もうイメージができているのですね。そういえば、先の本番会場視察のイングランドツアーでは、収穫がありましたか。

「チームとして本番会場の雰囲気、ワールドカップの雰囲気がどうなるかのイメージを抱くことができたことは大きい。リアリティが出てきた。人生でも何でも一緒でしょ。自分で体験しないと、完全なイメージは抱けません。選手たちが、ワールドカップのことを口にする機会が増えたのではないでしょうか」

――最後にエディーさんのモットーを。

「やるべきことを必死にやることです。スポーツをやっている時はすべて上達しようとしてきた。教師をやっている時はできるだけいい教師になろうと頑張った。最後は校長先生になりました。ラグビーコーチとしても、常にチームがよくなることを目指しています。“もっと、もっと”って」

――常に成長することですか。

「そうです。自分の人生に決して満足しないことです。“ネバー・ビー・ハッピー”です。コーチを引退したら、初めて満足するかもしれません。引退後の生活は、ハワイか沖縄のビーチ沿いのハウスです。奥さんからは『そんなことできるわけないでしょ』と言われていますが(笑)」
 
「ネバー・ビー・ハッピー」。ハッピーにはならない。満足はしない。あきらめない。プロ中のプロは、W杯で日本代表をベスト8に導き、世界を驚かすことができるだろうか。

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