スーパーラグビー参戦。山田章仁が叶えた「10年越しの夢」 (3ページ目)

  • 向風見也●文 photo by Mukai Fumiya
  • photo by YUTAKA/AFLO

 だからこそ、「ボールにたくさん触れるべき。テストマッチでやるにはもっと体重が必要」という、ジョーンズHCの要望に応えることができた。前年度より約5キロ体重を増やし、がむしゃらにパスをもらった。タッチライン際が主戦場のウイングを務めながら、密集の周りを力強くかけた。そして、2012年度のトップリーグのトライ王に輝いた。

 日本代表には2013年秋から定着。そのシーズンはトップリーグプレイオフで自身2度目ンMVPに輝くなど、実力向上をアピールした。

「世界で活躍するには、まずテストマッチプレイヤーにならないと」

 そして2014年秋、ジャパンの遠征先だったグルジアのホテルで、ジョーンズHCからスーパーラグビーのウェスタン・フォースからオファーがあることを知らされた。代表でのパフォーマンスが認められたのだった。ウェスタン・フォース入りの話は、正式発表までパナソニックの仲のいい先輩にも黙っていた。

「契約ごとは、最後まで何があるかわからないので。自分の人生は、自分で守らないと」

 これまで何度も弾き返されてきた世界の舞台。慎重にならざるを得なかった。その一方で、自らのパフォーマンスには大きな自信を得ていた。今季のプレイオフの期間中、山田はこう語っていた。

「みんなのことを知ることも大事ですけど、自分をアピールしないといけないと感じています。最近、チームでボールがもらえているのも、『こういうボールが欲しい』と言えているからだと思う」

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