【ラグビー】日本代表のスピードスター福岡堅樹、世界を駆ける (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 小倉和徳 ●写真 photo by Ogura Kazunori

W杯で1試合1トライ、8強進出を
セブンズでリオ五輪出場も

 2015年は4年に一度のW杯が9月、英国イングランドで開幕する。日本代表候補の強化合宿が4月からスタートする。合宿、遠征、合宿…。本番のW杯までハードな日々がつづく。
 
 グレーのトレーナーの左胸には桐の葉の筑波大エンブレム。22歳は背筋を伸ばした。「まだ完全に(W杯に)近づいたという実感はありません。まずは(日本代表)メンバーに選ばれることが大事です」

 日本代表候補のウイングには好調の山田章仁(パナソニック)、藤田慶和(早大)、カーン・ヘスケス(宗像サニックス)……ライバルは少なくない。

「単純なスピードだけでいけば、全然、勝っていると思っています。(生き残るためのカギは)ケガをしないこと。運動量の部分で勝負して、自分からもっと積極的にボールタッチを増やすこと。あとは決定力です。トライを取り切る選手というのが、ジャパンではすごく求められていると思います」

 福岡は2年前の2013年のフィリピン戦で日本代表デビューした。金星を挙げたウェールズ戦で活躍し、その年の秋のスコットランド戦では2トライをマークした。

「ジャパンでのベストゲームは?」と聞けば、「スコットランド戦」と即答。「トライは周りのお陰です。自分としてはトライよりも、トイメン(マークの相手選手)を外に完全に振り切れたシーンがあって、それが自信になりました」

 頭の中に、W杯の初戦(9月18日)の南アフリカ戦のイメージはできている。続くスコットランド戦も、サモア戦、米国戦も。チームとしてのターゲットは1次リーグ3勝で初の準々決勝進出である。そのために体を張る。

「個人としてはトライでチームに貢献したい。必ず1試合1トライできるよう、頑張っていきたい」

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