【ラグビー】第2S終了。ファイナルSの注目は古豪・神戸製鋼!

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 高見博樹●写真 photo by Takami Hiroki(T&t)

 攻めては、新人ウイング山下楽平が2トライを挙げ、計11トライで今季のトライ王に輝いた。スピード、判断力、瞬発力がある。その山下は「一瞬のスピードに自信がある。はやく反応して、ボールをもらって、相手を置き去りにできたら、一番簡単にトライをとることができる」と胸を張る。

 対するヤマハはリーグ最終戦でパナソニックに完勝し、上昇気流に乗っている。とくに大ケガから復帰したSH矢富勇毅とスタンドオフ大田尾竜彦のハーフ団の動きとゲームメイクがいい。ヤマハの強みはなんと言ってもスクラム。清宮克幸監督も「明らかにワンシテップ上がった感じ」と自信をのぞかせる。

 神鋼にとっては、このスクラムを安定させることが勝利の条件となる。第2ステージの対戦では、神鋼が40-10で大勝した。が、その時と相手のチーム状態は違う。

 神鋼のスタンドオフ山中は警戒する。「ヤマハはスクラムが強いですし、展開力もある。(好キッカーの)五郎丸(歩)さんもいるので、反則はせずに、しっかりディフェンスからプレッシャーをかけていきたい」と。

 ポイントは、キックとエリア(陣地)マネジメント、セットプレー(スクラム、ラインアウト)である。


▽パナソニックー東芝(25日・秩父宮)

 東芝は11日、NTTコミュニケーションズに31-14で快勝し、3位で9季連続のプレーオフ進出を決めた。

 東芝の冨岡鉄平HCは言う。「我々のスタンダード(基準)が一度も落ちることなく、高い位置にい続けられている。でもここが最低ライン。勝負はここからなんです」と。

 東芝の武器はスクラムである。NTT戦では、前半の中盤、スクラムを押し込んで2本の認定トライをもぎとって、勝敗の流れをつかんだ。接点では、とくにロックの梶川喬介、ナンバー8のリーチ マイケルがいい。

 だが、試合内容はそれほどよくはなかった。とくにバックスは、FWの勢いを生かせない。ディフェンスでもばらけていた。

 冨岡HCは「このままだとチャンピオンシップは獲れない」と危機感をにじませる。

「みんな、各自の責任を果たせていない。勝手なプレーだったり、東芝らしくない判断だったり、ミスをしたり......。マインドセットして、選手が責任を持った状態でピッチに出られるように準備していきたい」

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