【ラグビー】7人制日本男子、リーチ参戦で3連覇へ (2ページ目)

  • 松瀬 学●取材・文・写真 text&photo by Matsuse Manabu

 日本男子はこの春、外国選手の活躍もあって、ワールドシリーズのコア(中核)チーム昇格決定戦で優勝し、その権利を獲得した。だが、若手を多数起用したこともあって、先のアジアシリーズの香港セブンズでは韓国に、マレーシアセブンズでは香港に苦杯を喫した。
 
 ここで、アジアの盟主であることを示さなければならない。難敵は開催国の韓国ほか、香港、中国、俊足揃いのスリランカあたりか。ポイントは、"空中戦のスペシャリスト"桑水流裕策(くわずる・ゆうさく/コカ・コーラ)が中心のキックオフの確保と、ボールポゼッション(保持率)、ブレイクダウンでのペナルティーを少なくすることができるかだろう。
 
 さらにいえば、15人制から慣れないセブンズでプレーするリーチやラトゥイラらが、すみやかにチームにフィットするか。特にディフェンスでチーム間の意志疎通を図れないと苦戦を強いられることになる。リーチは「リオ五輪につながるよう、15人制とセブンズが両立できることを証明したい」と意欲的だ。コンディショニングもカギを握る。
 
 日本女子は、先のコアチーム昇格決定大会で5位に終わり、惜しくも上位4カ国に与えられる昇格の権利をとれなかった。キッカーの大黒田裕芽(おおくろだ・ゆめ/立正大)をケガで欠き、大事なキックオフでの苦戦がつづく。浅見敬子HCは「まずはゲームの入りを修正していきたい」と改善をめざす。
 
 ライバルは、コアチーム昇格を決めた大型の中国ほか、フィジカルの強いカザフスタン、香港あたりか。同じ予選C組のシンガポールも侮れない。日本としては、献身的な中村知春主将(なかむら・ちはる/電通東日本)に代表される「豊富な運動量」で勝負したい。
 
 浅見HCは続ける。「キックオフのボールをしっかり取り、ボールキャリアがボールを前に運ぶところを丁寧にやっていきたい。2人目、3人目の寄りの早さも大事。ディフェンスも我慢強くし続けたい」と。
 
 陸上から転向してきた山田怜(TKM)ほか、中村主将、小柄な鈴木陽子(立正大)に期待したい。サイズで劣るだけに、ハンドリングミスは避けたいところ。ボールを素早く、大きく動かすことができれば、勝機も膨らんでくるだろう。

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