3人目のスーパーラグビープレイヤーへ。立川理道の挑戦 (3ページ目)

  • 向風見也●文 text by Mukai Fumiya
  • photo by Tsukida Jun/AFLO

 ブランビーズは歴史的に、スタンドオフやインサイドセンターの選手が果敢に仕掛けるスタイルを貫いている。そういう意味では、戸惑うことなく、存分に持ち味を発揮できそうだ。また、日本人アスリートが海外で活躍するには語学力が必要とされるが、立川は「コミュニケーションを取らないと、パスを出す僕のポジションではやっていけない」と、週2回の英会話レッスンを重ねてきた。準備に抜かりはない。

 果たして、ジャパンのゲームメーカーは、異国の地でどんなプレイを披露するのだろうか。同じオーストラリアで戦ってきた堀江は、こうエールをる。

「(問題があるとすれば)フィジカルの部分だけじゃないですか。でも、それは向こうでついてくる。(現地での激しい当たりに)慣れてきて、身体も大きくなると思うんで。あとは全部、通用する」

 立川は、「何が通用して、何が通用しないかは、実際にプレイしてみないとわからない部分が多すぎる」と慎重だが、決意は秘めている。ゲインライン上でのせめぎ合いで力を発揮したい……。だから、こう語るのだ。

「パスの精度にはこだわっています。そこは負けたくない。通用するかどうかはともかく、そこで勝負するしかない」

 立川のスーパーラグビーへの挑戦は、“メイド・イン・奈良”の技術を世界に示すプロジェクトでもある。最高峰の舞台で、立川のパスは世界を驚かせることができるのか。ブランビーズの今季初戦は2月22日、ホームのキャンベラスタジアムで行なわれる。日本人3人目のスーパーラグビープレイヤーを目指す立川の挑戦が、間もなく始まる。

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