3人目のスーパーラグビープレイヤーへ。立川理道の挑戦

  • 向風見也●文 text by Mukai Fumiya
  • photo by Tsukida Jun/AFLO

 スーパーラグビーは、ラグビー強豪国のニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの3カ国からなる南半球最高峰のリーグだ。現在は15チームが参戦しているとあって、「スーパー15」とも呼ばれている。前年度は田中史朗と堀江翔太(ともにパナソニック)のふたりの日本人が参戦し、注目を集めた。

日本代表のエディー・ジョーンズHCも立川理道の能力を高く評価している。日本代表のエディー・ジョーンズHCも立川理道の能力を高く評価している。
 
 そして今シーズン、3人目の日本人スーパーラグビープレイヤーを目指すのが、24歳の立川理道(たてかわ・はるみち)である。今年1月17日、所属先のクボタから、ブランビーズへの留学が発表されたのだ。

 ブランビーズはオーストラリア屈指の強豪チームで、ニュージーランド勢の強さが目立った昨シーズンのスーパーラグビーでも準優勝と健闘した。ちなみに、現日本代表のヘッドコーチ(HC)であるエディー・ジョーンズも1998年から4年間ブランビーズの指揮を執り、2001年にはクラブ史上初の優勝を成し遂げた。

 そのブランビーズで日本人3人目のスーパーラグビープレイヤーを目指す立川だが、現時点でレギュラーが確定しているわけではない。日本はワールドカップに過去7度出場しているが、わずか1勝(1991年第2回大会でのジンバブエ戦)しか挙げていない。ジャパンの中核を担っている立川であっても、世界的にその名を知る者は多くない。そのため、プレシーズンキャンプでのアピールは必要不可欠で、立川も留学発表の2日後にブランビーズの本拠地があるキャンベラへと渡った。

 立川は奈良県天理市に生まれ、やまのべラグビー教室、天理中、天理高、天理大と"パスラグビーの総本山"と呼ばれる地で、「このタイミングで放れば、抜ける」という独自のパス感覚を身につけた。天理大の主将として2011年度の大学選手権で準優勝を果たすと、翌春にはジャパンに選出され、瞬(またた)く間にチームの中核となった。

 スタンドオフやインサイドセンターを務める立川は、身長180センチ、体重95キロの恵まれた体躯の持ち主だ。タックラーのもとに鋭くかけ込んでの突破ができ、相手をギリギリまで引きつけて精度の高いパスを放つことができる。ジョーンズHCは、「ランとパスが同じような高い能力できる。フィジカルも強くなっている。いまのインターナショナルラグビーではこのような選手はいない。また彼が素晴らしいことは、まだ若いということ」と立川を高く評価している。

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