【ラグビー】打倒・オールブラックスへ。ジャパンが6月から立てた綿密な計画 (3ページ目)

  • 向風見也●文 text by Mukai Fumiya
  • 井田新輔●写真 photo by Ida Shinsuke

 実は、昨秋、初めて敵地で欧州勢を破った時の遠征でも、この「フォワード同士のパス交換」を攻撃オプションに加えていた。スタンドオフやセンターを務める立川理道(たてかわ・はるみち)は言う。

「いかにバックスにハダカ(援護のない状態)でタックルさせるか。そこをコントロールするのが、9番(スクラムハーフ)と10番(スタンドオフ)。相手の嫌なとこを突いていきたい」

 だが、本番を間近に控え「打倒・オールブラックス」に誰よりも執念を燃やしていたジョーンズHCが脳梗塞で倒れ入院。直前練習および試合の指揮が執れなくなった。指揮官がいない上に、相手は世界1位の強豪国。それでも選手たちは前を向く。20歳のウイング・藤田慶和はこう意気込む。

「エディーさんのプランや攻め方を聞いてきて、すごく勝てる気がしてきました。(オールブラックス戦に向けて)いい準備ができていると思います」

 そして立川は「日本代表の力を試されるいい機会」と言い、こう続けた。

「どういう結果を求めてやるかが大事だと思う」

 日本代表の実力を世界に示すことができるか、注目だ。

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