【ラグビー】ウェールズに歴史的勝利!ジャパンの何が変わったのか? (3ページ目)

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji

 2011年、ワールドカップで1勝もできず、その責任を重く受け止めていた田中は、「やっと責任を果たせた」と目を赤くした。「今日の試合は全員の声が聞こえ、前よりコミュニケーションが取れていたので(攻守ともに)プレイしやすかった。また、少しずつ考えてプレイする選手も増えてきたと思う。堀江と僕だけでなく、日本代表は能力のある選手が集まっている」と、2019年の自国開催のワールドカップに向けて、チーム全体の成長を実感したと語った。

 だが、素直に喜んでいるだけではない。堀江と田中はすぐに平静を取り戻し、先を見据えた。

「まだ、課題はある。毎練習、毎試合、強くなってもっと上を目指したい」(堀江)

「2015年、そして2019年のワールドカップに向けて、この勝利は大きいけど、これからが始まりという感じ。これからどう変わっていくか、(ファンに)見ていてほしい」(田中)

 移動日でも3部練習を敢行するなど、昨年から「世界一の練習量」を真面目に取り組んできたエディー・ジャパン。そこに世界を肌で感じた男たち(堀江&田中)のエッセンスが加わり、さらに成長した姿を世界のラグビーファンに示すことができた。五郎丸歩が、「奇跡ではなく実力です」と胸を張ったように、今回の勝利はフロックではない。ウェールズ戦の勝利は、今後のジャパンにとって、大きなターニングポイントとなるはずだ。

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