【ラグビー】藤田慶和、復活。「じん帯断裂の悪夢から学んだこと」 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji

――一方、ワールドカップへの思いはどうでしょう?

藤田 2015年大会に出たいです。そのためには、スーパーラグビーに行ったほうがエディー(ジョーンズHC)に認められるかと。あと、7人制も気になります。2016年のオリンピックにも出てみたい。

――スーパーラグビーに行くために、今、必要なことはなんだと思いますか?

藤田 まず、自分の強みを伸ばすこと。スピードはもっと上がると言われています。ディフェンスはもう少しうまくならないと。あと、英語ですね(笑)。

――今回の遠征では、スーパーラグビーの下部組織と対戦します。

藤田 直接アピールできるいい機会だと思います。レベルの高いチームに、ケガ明けでどれだけ通用するのか……。今回対戦する相手に通用しないと、その上には行けないですから。

 練習後はまだ、手術した左ひざが腫れるという。最後に、「少しずつ調子を上げていく予定?」と聞いてみた。すると、藤田は間髪入れず、こう答えた。「ちょっとずつ、ちょっとずつと言っていてはダメなんです。スーパーラグビーで同い年の選手が試合に出ているのに。試合に出たら全力でアピールして、来年くらいにはスーパーラグビーに行きたい!」

 じん帯断裂という重傷を乗り越えた青年が、再び、まっすぐ、夢を追い始めた。史上最年少キャップ記録を樹立した若き天才、藤田慶和が日本人最年少スーパーラグビープレイヤーとなる日も、そう遠くなさそうだ。


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