【ラグビー】海外移籍のリーチと堀江翔太が示す「トップリーグ10年の成果」 (2ページ目)

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • 井田新輔●撮影 photo by Ida Shinsuke

東芝のマイケル・リーチはニュージーランドの「チーフス」へ移籍東芝のマイケル・リーチはニュージーランドの「チーフス」へ移籍「通用するかどうか楽しみです。ジャパンスタイルでいきたい。それは連続でプレイし続けること。走って、走って、タックル、タックル、立ち上がって、またタックルです」

 かたやパナソニックの堀江は、試合後、さすがに元気がなかった。

「(今季の国内戦)最後かもしれないので、勝ちたかったんですけど......。優勝して向こう(オーストラリア)に行きたかったなあ」と漏らす。

試合中、頭を強打しながらも、再三、持ち前の鋭いランを見せた。
「チャンスどころで点がとれなかった。ぎりぎりのところで、うちのチームに焦りが出ました」

 こちらはスーパーラグビーのオーストラリアの「レベルズ」と契約し、来週、真夏のメルボルンに飛び立つ。いよいよ、大学を卒業してからの夢が実現する。

「夢のステージに入って何か変わるかと思っていたけれど、特に意識は変わりませんね。いつも通り、不安いっぱいで海外に行って、また一から頑張っていくような感じです」

 180センチ、104キロ。座右の銘が『勇気なくして栄光なし』である。

「向こうでも身近な目標を一個一個、クリアしていきたい。まず試合に出る。チームのやることを体に落とし込んで、レギュラーになる。勝利に貢献し、何年かの契約延長がとれるようにしたいですね」

 スクラムでは、よりフィジカルアップが求められる。フィールドプレイでも、球際の厳しさ、当たりの激しさが日本とは違う。

「フッカーの動きを大切にしてレベルアップしていきたい。自分にもっとスキル、フィジカルがついてきたら、ジャパンのワールドカップ勝利にも近づける。ファンにもいい影響を与えることになると思います」

 チームメイトはもちろん、先日、大学選手権4連覇を達成した母校・帝京大の岩出雅之監督ら多くの関係者から激励をもらった。体のケアのため、自宅の高級マットレス持参でオーストラリアに渡る。試合後、競技場の外では観戦した妻が待っていた。妻も一緒に新天地へ。

 苦笑いを浮かべながら、独り言のようにつぶやいた。「また頑張らないといけないな」と。27歳フッカーの新たな挑戦が始まる。

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