【ラグビー】日本人初の快挙!田中史朗が語る「僕がスーパーラグビーに挑戦するワケ」 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●文・撮影 text & photo by Saito Kenji

「藤井(淳/東芝)さんも、日和佐(篤/サントリー)もそうですが、日本人のSHはテンポが早く、ボールさばきが良いので海外で評価される。僕みたいに小さくても(ニュージーランドで)やっていけるので、いろんな人が挑戦すれば手応えをつかめると思う」

 10月2日、ITMカップのリーグ戦後のバスの中、田中はブラウンHCからハイランダーズ入り内定の一報を受けて、「かっこ悪いですが(笑)、泣いてしまいましたね」。負けず嫌いで向上心の塊(かたまり)、小さな体躯に大きなハートを持つ。スーパーラグビー入りが決まっても、「オタゴではみんな褒めてくれたのですが、自分では満足することができなかった」。ただ、「27歳になって、やっとキックをマスターできました」と、ニュージーランドでの成長も実感している。

 現在、田中は『エディー・ジャパン』となって初となる日本代表合宿に参加し、その後、ヨーロッパでルーマニア、グルジアなどと4試合を戦う。そして今年12月から来年1月にかけて日本のトップリーグでプレイした後、再びニュージーランドへと渡り、2013年2月下旬から開幕するスーパーラグビーに参戦することになろう。ハイランダーズのチームメイトには、昨秋のニュージーランドのW杯優勝メンバー、LOブラッド・ソーン(サニックス)や、CTBマア・ノヌーなど多くのオールブラックス経験者が顔を揃え、ポジションを争うライバルも注目の23歳SHアーロン・スミスと、まさに豪華である。

「どこまでできるかわからないですが、目標はひとつでも多くの試合に出て、日本人の可能性を示したい。そうすれば、世界が日本(ラグビー)に注目するし、日本の選手が世界に出て行くことにつながりますから」

 ファーストサムライ――。パイオニアとしての自覚は十二分だ。田中の1本1本のパスが、日本ラグビー界の光明となろう。

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