【ラグビー】大物外国人の獲得はジャパンにとってプラスとなるのか? (3ページ目)

  • 加藤康博●文 text by Kato Yasuhiro
  • 井田新輔●写真 photo by Ida Shinsuke

 例えばSBWの契約条件は12試合の出場で140万NZドルとも170万NZドル(約9000万円~約1億1000万円)とも伝えられている。これは世界のどのラグビー選手を見渡してもトップクラスの金額だ。

 しかし、現在のトップリーグは3季連続して観客数を減らしている。SBWのデビュー戦となった9月9日のゲームは悪天候ということもあってか、2200人に留まった。

 空席の目立つスタンドを見上げた時、手にするサラリーとのギャップに彼は何を思うだろうか。そのモチベーションを保つためにも観客数増加のための手は打たねばならない。当然、ファンは彼らスターが気の抜けたプレイをしていないか厳しい目でチェックすることも必要だ。これはリーグやチームの広報努力、そしてファンの観る目にかかっている。

 今季からトップリーグは同時に出場できる外国籍選手の人数を3人から2人に減らした。(アジア圏内の外国人がいる場合は3人が出場できる)。これは「日本人選手の活躍の場を増やすため」というのが主な理由である。しかし各チームや強化の現場からは「3人の方が強化につながるのでは」という声が上がっていることも事実だ。

 外国人選手の出場枠についての是非には触れないが、外国人選手をいかに日本人の強化につなげていくか。その議論はトップリーグでもっと行なわれるべきではないか。そもそも外国人枠自体が2010-2011シーズンに3名に増やされたばかり。それをまた2名に戻すとなると、リーグ自体が外国人選手をどのように位置づけるか、その方針が定まっていない印象さえ受ける。

 2019年のラグビーW杯は日本で開催される。日本代表の強化は緊急の課題だ。今年からエディー・ジョーンズ氏を日本代表監督に迎え、まずは2015年に向けた強化が始まっている。トップリーグも日本の最高峰リーグとして、代表強化の中核でなければならない。海外のスターを本気にさせる環境を作り出すことも、日本人の強化のために必要なのではないだろうか。

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