【ラグビー】大物外国人の獲得はジャパンにとってプラスとなるのか? (2ページ目)

  • 加藤康博●文 text by Kato Yasuhiro
  • 井田新輔●写真 photo by Ida Shinsuke

 日本代表FBでヤマハ発動機に所属する五郎丸歩は、「日頃の試合で、実際に体をぶつけられるということは理屈抜きで得るものがある」とその効果を口にする。しかし、それも来日した彼らが日本で真剣にラグビーに取り組んでこそ。残念なことに近年では体調不十分で来日したり、南半球3カ国で行なわれているプロリーグ、「スーパーラグビー」の準備期間として日本に来たとしか思えないプレイをする選手も見受けられる。

 SBWはどうだろうか。

「過去に100%の状態でプレイしなかった選手がいたそうだが、私はこの日本でファンの期待を裏切らないプレイをするつもりだ」

 9月1日の記者会見で彼はそう決意を口にした。「とにかく真面目。自分から他の選手に積極的にコミュニケーションを取るし、彼が本気であることは疑いがない」とパナソニックの中嶋則文監督もその人間性を評価する。

 直前までニュージーランド代表、オールブラックスの一員として戦っていただけに、体は仕上がっていることは間違いない。不安があるとすれば、チームにどれだけ馴染めるかだ。SBWは「ラグビーはシンプルなスポーツ。チームのサインさえ覚えればすぐに自分のプレイができるはず」と自信ありげに答えている。

 SBWが本気でチームのために動けば、相手はもちろん、チームメイトにも大きな刺激となるだろう。いかに彼の本気を維持させるか。そして個人技だけを生かすのではなく、いかにチームの戦術に組み込み、機能させるか。それによって日本ラグビーへの貢献度は変わってくる。これはチーム首脳の手腕にかかっていると言っていい。

 海外のスターが日本に来る理由。それは「スーパーラグビー」とシーズンがあまり重ならないこと、そして契約にあたって魅力的な条件を日本のチームが提示するからである。

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