【ラグビー】視線の先には『世界』。18歳の新星・藤田慶和の「夢のカタチ」 (2ページ目)

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • photo by Getty Images

 京都府出身。京都・伏見工高ラグビー部OBの父の影響で小学校からラグビーをはじめ、父と一緒に衛星放送で海外のラグビーを観戦していた。南半球のスーパーラグビーにあこがれ、小学校5年のとき、早くも『世界』を意識した。卒業文集には「オーストラリア代表になりたい」と書いた。

 もちろん日本代表になれば、豪州代表にはなれない。でも夢のカタチは変わらない。いまの夢は、豪州など南半球で開催される世界最高峰のリーグ、「スーパー15」のクラブでプレイすることである。福岡・東福岡高校でニュージーランドに短期留学しており、夢への階段を一歩ずつ着実に登ってきた。

 185cm、90kg。持ち味はなんといっても、50m6秒1のスピードである。素直、まじめな性格もいい。父の教えなのだろう、華やかなプレイにも、パス、ラン、キックの基本がきっちりしている。

 今春、3年連続日本一の東福岡高校を卒業し、早稲田大に進学した。7人制の東京セブンズが終わるや、すぐに15人制の日本代表合宿に合流した。ハードスケジュールが続く。大丈夫かと心配すれば、笑顔が返ってきた。

「まだ若いですから」

 ポジティブ思考である。小さいことにくよくよせず、常に前を向く。

「(東京セブンズで)通用しなかったところを改善して、早く次のステージでプレイできるようになりたい。ノートライも、これが僕の実力だと思います。この経験を生かし、世界に通用する選手になりたい」

 五輪での目標は、と聞けば、18歳の新星にパッと笑顔が広がった。

「金メダル」

 いいなあ、この心意気。視線の先には『世界』がある。五輪とW杯。

「これからも楽しんでラグビーをするだけです。大学との兼ね合いはありますけど、スーパー15につながるなら、海外(へのラグビー留学)にもチャレンジしたい」

 甘えは禁物だ。あえて厳しい環境に飛び込み、より己を磨いてほしい。自身のため、日本ラグビーのため。

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