【ラグビー】文句なしの金字塔。3連覇を達成した帝京大のブレない「型」とは (3ページ目)

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • 井田新輔●撮影 photo by Ida Shinsuke

 試合中、こちらの3番の前田龍佑が押し勝っていると見るや、スクラムのウエイトを右に集めながら、まっすぐ押した。天理の3本のコラプシング(スクラムなどを意図的に崩す)の反則でPKをもぎとった。

 ラインアウトでも圧倒。ブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)では低い天理大FWに手こずったけれど、赤い固まりの圧力は時間経過と共に迫力を増した。

 前半、FWのモールの押しから2本のトライを奪った。目立たないけれど、ディフェンスでもFWはSO森田の内側にどんどん沸いていった。忠実、かつ激しい戻りのタックルもまた、帝京大FWの強みだった。

 なぜだろう、この帝京大の強さは。
 そう聞けば、誰もが同じフレーズを使った。

「積み重ね」と。

 フィジカルは裏切らない。基本的に週に2日はアジリティ(俊敏性)強化とウエイトトレーニングに打ち込む。管理栄養士のもと、食事から効率的な身体づくりに励む。その意識の高さは帝京大のもはや文化である。

 4年生の白隆尚が言った。入学後、筋肉で体重が10キロアップし、108キロとなった。
「夜食で鍋も食べます。妥協のない生活、トレーニングが、ケガをしない身体、当たり負けをしない身体をつくったのです」

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