【ラグビー】文句なしの金字塔。3連覇を達成した帝京大のブレない「型」とは

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • 井田新輔●撮影 photo by Ida Shinsuke

大学選手権決勝、天理大との接戦を制して帝京大が3連覇をなし遂げた大学選手権決勝、天理大との接戦を制して帝京大が3連覇をなし遂げた

 傍目には、ときおり退屈に映る。バックスに積極的にはボールを動かさない。ラグビーならではの躍動感がない。でも帝京大は強い。とくにFWは大きくてパワフルでそつなく、どこかやわらかい感じもするのだ。

 同志社大学以来、史上二校目の3連覇は「鍛練」の積み重ねと「経験値」の高さゆえである。

 1月8日の国立競技場。ノーサイド直前、主将のSO森田佳寿の蹴ったボールは右ポストの旗にあたり、内側に落ちていった。15―12。劇的な決勝PGだった。

 満身創痍の森田が顔をほころばす。
「積み重ねてきた時間と全部員の気持ちがボールに乗って決まったと思います」

 試合後、帝京大の岩出雅之監督が3度、部員の手で宙に舞った。
「初優勝もうれしかったですし、昨年度もうれしかった。また今年もうれしい気持ちでいっぱいです。それぞれ優勝できた喜びは変わらない。ただ3連覇の記録的な意味合いを考えると、後々にこの喜び、重みを感じる時がくるんじゃないかと思います」

 もちろん戦いぶりに対する周囲の批判は知っている。だがチームは勝つための戦いをしているのである。強みを前面に出し、逆に相手の強みを消していく。

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