【ラグビー】「早慶明」のいない大学選手権4強は、好ゲーム必至の実力派揃い! (3ページ目)

  • 向風見也●文 text by Mukai Fumiya
  • 井田新輔●写真 photo by Ida Shinsuke

 第2試合に登場するのは、創部初の4強入りを果たした筑波大と大学選手権3連覇に挑む帝京大。

 選手権2回戦で明大に11-9と競り勝った筑波大は、秋の対抗戦ではバックスの得点力が目立ったが、選手権に入りフォワード陣の健闘が光る。攻め込まれてもフランカーの水上彰太(1年=みずかみ・しょうた)、ロックの鶴谷昌隆(3年=つるや・まさたか)らが相手に喰らいつき、勢いを止めていた。特に水上は、東福岡高校時代に主将として全国制覇を経験。徹底的に研究を重ね、相手の持ち味を封じることに注力することが伝統の筑波大にあって、これまで培ってきた経験を生かし、机上の計算でははじき出せない「勝負のあや」を見抜く力を兼ね備えている。

 また、バックスも堅実なつなぎとウイング・彦坂匡克(3年=ひこさか・まさかつ)の力感あふれるランは健在。ここに対抗戦ではトライを量産し、選手権は負傷欠場していた竹中祥(1年=たけなか・しょう)が復帰すれば、さらにチームに厚みが増す。なお、竹中は2回戦では出番なしもベンチ入りを果たしている。初の大舞台で、王者相手に体勢は整うだろうか。

 一方の帝京大は、秋の対抗戦で「早慶明」を破るなど、全勝優勝を果たし、選手権1回戦でも福岡工大を96-6と圧倒した。「死角なし」との見方をより強めたが、選手権2回戦の同志社大戦では苦戦した。試合こそ18-12で辛くも勝利したが、途中でリードを4度も奪われた。岩出雅之監督も「自分たちの勢いを過信してはいないけど、楽にゲームを進めようとしているのではないか」と感じたようだ。

 たが、「試合を通して一歩大きくなる」と常に言い続けている、スタンドオフで主将の森田佳寿(4年=もりた・よしかず)は、同志社大との試合後にこう語った。

「自分たちの甘さが多く出たゲームで、それに気付かせていただいたことも大きな収穫ですし、厳しいゲームを乗り越えることができた。メンタル面でまた大きくなれたと思います」

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