明治大学の卓球部はなぜ強いのか。同門ダブルス・宇田幸矢と戸上隼輔が明かす「自主性重視」の指導 (3ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • photo by Itaru Chiba/AFLO

【大学生でTリーグに参戦】

――監督からコミュニケーションを取ることが多いんですか?

戸上 はい。練習中にも「こうしたほうがいいんじゃない?」と声をかけてくれますね。

宇田 国際大会終わりなどには、「ここの場面は何でこうしたのか」といった、意見やアドバイスをしてくれます。考えを押しつけてくるわけではありません。僕たちの考えとのギャップをすり合わせながら、「お互いの意見をどう取り入れていくか」を意識しながら話してくれるんです。明治大卓球部には現在20人以上が在籍していますが、選手個々のプレースタイルに合わせた考え方を持っているのがすごいですね。

――ふたりは大学と日本代表以外に、Tリーグの琉球アスティーダでも活躍されています。どういう流れでTリーグに参戦したんですか?

宇田 僕はもともと木下グループで、2019ー2020シーズンは木下マイスター東京でプレーしました。昨シーズンまで同チームの監督を務めていた邱建新(キュウ・ケンシン)さんが、高校生の頃に日本代表のコーチもしていたので、コミュニケーションを取る機会が多かったんです。

 初年度の2018ー2019シーズンから参戦の話はあったものの、その前にドイツのチームと契約したので叶わず。それでも、2年目の開催前に声をかけてもらえたのはうれしかったですね。木下はファーストシーズンの王者で、水谷さんや張本(智和)もいたのですごくいい刺激をもらえました。

戸上 僕はファーストシーズンから参戦できました。最初に所属したT.T彩たまの坂本竜介監督から声をかけていただいたのがきっかけです。当時は高校生だったんですが、通っていた野田学園(山口県)の橋津文彦先生も「せっかくの機会だし、ファーストシーズンから参加できることは非常にありがたい経験だ」と言ってくれて。僕自身も「このチャンスを逃さずに参加したい」と思い、参戦を決意しました。

――学生リーグや代表の国際大会以外に、Tリーグでもプレーができることをどう捉えていますか?

戸上 すごく大きいです。特に2020年は、コロナ禍の影響で国内外の大会がほとんど中止になるなかで、Tリーグは感染拡大の防止策を十分にした上で開催してくれました。そこで僕が結果を残すことは、他の明治大のメンバーのいい刺激になるんじゃないかと思いながらプレーしていました。

宇田 戸上が言うように、試合ができることは本当にありがたかったです。Tリーグにはレベルが高い選手が集まっていますし、そこでの試合の経験値は貴重なものになりました。

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