平野早矢香が語った卓球女子団体、金メダルへの展望。「今大会は中国のほうに嫌な感じがあるはず」 (2ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi

卓球女子団体戦について語った平野さん photo by Tatematsu Naozumi卓球女子団体戦について語った平野さん photo by Tatematsu Naozumiこの記事に関連する写真を見る――よく言われる、プロ野球とメジャーリーグでの球質の違いのような感じですね。ダブルスの話が出ましたが、石川選手とペアを組んだことがある平野さんから見て、石川選手と平野選手のダブルスはどう見ていますか?

「私が石川選手と組んだ時は、石川選手がやりやすいようにゲームメイクをしたり、コースを突いていきました。私自身、そういうプレーのほうが好きでしたし、チームとしてもいい形でしたね。一方、石川選手と平野選手とのペアだと、平野選手がバックドライブ一発で決められるボールを持っているので、もしかすると石川選手は、以前の私のようにゲームメイクやコース取り、全体的な指示をする役割を担っているかもしれません。平野選手のやりやすい形に持っていく、という戦術も準備しているでしょう。

 でも、平野選手の状態が上がらなかったり、相手によって石川選手が積極的に攻めたほうがいいとなれば、逆の戦い方もできるはず。2人とも、それができる技術の幅があるので、『全部この形でいくんだ』とこだわるのではなく、相手や場面に応じて変えていっていいと思います」

――臨機応変に対応していくということですね。五輪まで大会は少なかったですが、本番を迎えるまでの2人の状態をどう見ていましたか?

「大胆に行くところは思い切って打つ、逆に丁寧に行くところは少しコントロールして攻める、といったようにメリハリがついていると思って見ていました。どちらかに振り切るのではなく、それらのバランスが取れた時が一番いい内容になっているので、団体戦もその感覚で臨んでほしいですね」

――ファンとしては、決勝で中国と戦い、勝つところが見たいと思っている人も多いと思います。中国と戦うことになったら、どんな展開になるでしょうか。

「中国も日本のことを今までにないぐらい警戒していますし、警戒せざるを得ないチームになっているんじゃないかと思います。特に今大会シングルス2試合の"エース使い"になるだろう伊藤選手は、2018年以降は中国選手とほぼ互角と、かなりいい勝負をしています。初戦のダブルス(東京五輪はダブルスのあとにシングルスが4試合行なわれる)で相手にプレッシャーをかけることができれば、かなり面白い展開になるでしょう。リードして伊藤選手に回すのか、リードされて回すのかによって、対戦相手の心理的な部分が違ってきます」

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