平野早矢香が語った卓球女子団体、金メダルへの展望。「今大会は中国のほうに嫌な感じがあるはず」

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi

日本女子卓球初の五輪メダリスト
平野早矢香インタビュー 後編 
前編:ロンドン五輪銀メダルの裏話>>

 東京五輪での日本卓球は2つの「初」のメダルを手にした。混合ダブルスで水谷隼・伊藤美誠ペアが金メダル、伊藤は女子シングルスで銅メダルを獲得。惜しくも目標に届かなかった選手たちもいるが、8月1日からの団体戦で有終の美を飾るために死力を尽くす。

 ロンドン五輪の女子団体で卓球界初の銀メダルを獲得した平野早矢香は、2016年に現役を引退後、卓球を「する」側から「伝える」側にまわった。東京五輪でもテレビ中継に出演し、卓球競技を中心に選手たちの活躍を視聴者に届けている。インタビュー後編では、卓球女子の団体戦について話を聞いた。

大会前に練習を行なった(左から)伊藤美誠、石川佳純、平野美宇、早田ひな photo by Kyodo News大会前に練習を行なった(左から)伊藤美誠、石川佳純、平野美宇、早田ひな photo by Kyodo Newsこの記事に関連する写真を見る***

――いよいよ卓球女子団体戦が始まります。日本のメンバーは石川佳純選手、伊藤美誠選手、平野美宇選手の3人。最大のライバルは中国ですが、それ以外で気になる国はありますか?

「ちょっと嫌だなぁと感じていたのは韓国でしたが、トーナメントの組み合わせで反対の山になりましたから、日本と当たるなら決勝になります。ただ、韓国は勝ち進んでも準決勝で中国と対戦することになるので、決勝に進める可能性は低くなったと思います。

 レベル的には断然アジア勢が強いのですが、一方でヨーロッパ選手のボールは少し癖があって、やりづらさがあるんです。アジアの女子選手たちが台に近いところで打つのに対し、ヨーロッパの女子選手は男子選手に近いというか、台から少し距離を取ってプレーします。それでボールが綺麗じゃないと言いますか、ちょっと変化がある。アジアの選手の球質とは違うので、ヨーロッパの国も注意が必要です」

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