水谷隼が鷲見玲奈に語った金メダルの可能性。伊藤美誠とのペアで「30%くらい」 (3ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

鷲見 他のライバルとしては、台湾の林昀儒(リン・インジュ)&鄭怡静(チェン・イージン)ペア、韓国の李尚洙(イ・サンス)&田志希(チョン・ジヒ)ペアあたりが挙げられると思いますが、印象としてはいかがですか?

水谷 台湾のペアにはあまり苦労せずに勝つことができているので、相性はすごくいいんじゃないかなと思っています。ただ韓国のペアには、3月に行なわれたカタールオープンの準決勝で負けてしまって。敗因としては、他国のペアは男子選手が左利きで、女子選手が右利きというパターンが多いんですけど、韓国のペアは逆で少し特殊なんです。だから今までと性質の違う返球に戸惑ってしまった。終始うまく噛み合わなかったです。

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鷲見 私もその試合を見ていましたが、悪い流れを断ち切れなかった印象がありました。

水谷 そうですね。自分のプレーも本当に悪かったです。でも、オリンピックでは必ずいいプレーができるでしょうし、同じような結果にはならないと思っています。

鷲見 頼もしい言葉ですね。ただ、どうしても心配なのが、水谷選手の眼のコンディションです。最近では「裸眼のほうが調子いい」という発言もされていたと思うのですが、現在の状態はいかがですか?

水谷 今はずっと裸眼で練習できていますし、昔に比べると少しはよくなったと感じています。一応、これから新しいサングラスが届くので、どちらの形で臨むかはまだ決めていませんが。試合会場である東京体育館の下見をしてから判断する予定です。

鷲見 最高の状態で臨めることを祈るばかりです。その東京五輪も開幕が近づいていますが、4度目の出場となる今大会は、水谷選手にとってどういう位置づけになりますか?

水谷 僕にとって、金メダルを取る最初で最後のチャンスだと考えています。次回のパリ大会は年齢的に難しいですし、今回は東京開催でもあるので、実力のすべてを発揮できるように準備したいです。

鷲見 ずっと「オリンピックが終わったら引退する」というお話もされてきましたが、その気持ちは今でも変わりませんか?

水谷 はい。ただ、国際大会に関しては引退するとは思うんですけど、卓球選手は継続しようかとか......けっこう曖昧だったりするかもしれません(笑)。

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