本間成美プロが語る「女子プロボウラーあるある」。ボウリング界の現状と収入源も聞いた (2ページ目)

  • スポルティーバ●取材・文 text by Sportiva
  • 布川航太●撮影 photo by Kota Nunokawa

―― 本間さんが目標とするプロボウラーはいますか?

本間 うーん、たくさんいますが......、一番は姫路麗(ひめじ・うらら)プロです。年間の公式戦で、順位ごとにもらえる「ポイント」と「獲得賞金」、スコアの平均「アベレージ」の3つのランキングで一位になることを"三冠"と言うのですが、姫路プロはすでに3回も三冠になられています。人柄も優しくて、本当に素敵で。

 実は、2017年に一度、姫路プロと対戦する機会がありました。3ゲーム先取で試合をしたのですが、私が奇跡的に1ゲーム目を取ったんです。でも、2ゲーム目から、姫路プロが本気モードになって着実にスコアを積み重ねるなか、私は気迫とプレッシャーに圧倒されて、負けてしまいました。「これが真のプロなんだ」って痛感しましたね。

―― メンタルが結果に大きく影響するんですね。

本間 そうですね。ボウリングって"頭脳戦"なんです。だから試合中、気持ちを落ち着かせて、考え続けなきゃいけなくて。それができないとなかなか勝てません。

―― 頭脳戦とは?

本間 ボウリング場のレーン(床)にはボールが滑るようにオイルが塗られていますよね。試合前の試し投げや、試合中の一投一投から、各レーンの滑り具合を把握しないといけないんです。それによって、立つ位置や投げる位置、ボールの軌道を変えています。しかも、試合が進むにつれて、オイルにムラができるので、1投ごとにボールの滑りやすさが変わる。そうしたことを試合中は意識し続けるので、試合が終わると体の疲れより、『考えすぎて疲れたー』って感覚のほうが大きいんです。

―― 一投ずつ、緻密な戦略を立てて、ボールを投げるんですね。

本間 そうですね。ボウリングは頭脳戦という要素が強いので、試合後は頭が疲れて、甘いものが無性に食べたくなります。だから、油断するとついつい食べすぎて太っちゃいます......(笑)。

―― 一方、本間さんの握力の強さがネット上で話題になりました。

本間 はい(笑)。プロボウラーは重いボールを長時間持つので、自然と握力がつきやすいんです。ただ、小さいころから握力は強いほうだったと思います。高校の時に利き手の右が35kgくらい。女子校だったのですが、クラスで1位でした(笑)。今はアベレージで、だいたい45 kgくらいは出せます!

―― 45kgはすごいですね! そうした握力の強さがボウリングにも活きてくると。

本間 あくまで私の感覚としてですが、握力が強ければボールを投げる瞬間に、軌道の"微調整"ができます。ただ、私より握力が弱くてボウリングがうまいプロボウラーもたくさんいるので、握力よりも、足腰とか体幹の力のほうが大事ですね。

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