張本智和は7歳で「3.11」を経験。「生きていられるのは当たり前じゃない」 (3ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • photo by Kyodo News

 震災以降、毎年4月に支給される代表ユニフォームには、「WASURENAI3.11」というロゴがついている。張本も「いつもこれを見ると、『絶対に忘れない』という気持ちが強くなります。大会だけじゃなく、練習の時から思い出して卓球に取り組んでいるんです」と話すように、その胸には故郷の光景が刻まれている。

 だからこそ、今年開催が予定される東京五輪に向かう気持ちは、より強いものとなっている。

「今大会はただの五輪ではないと思っています。震災から10年という節目の年でもありますし、プレーで元気を与えることが地元への恩返しだと思うので、東京五輪の舞台で戦うことができるのであれば、『3.11』をしっかり胸に刻んで戦います。さらに今はコロナ禍で苦しい状況ですし、まだまだつらい時期は続くかもしれません。でも、絶対に乗り越えて、またみなさんと笑えるように、一緒になって頑張っていきたいです」

 2021年夏、張本の一振りが、東北に力を与える

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