牧瀬里穂とCM共演など日本でも人気。伝説のQBジョー・モンタナとは? (2ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 舞台となったのは、49ersとシンシナティ・ベンガルズが対決した1989年の第23回スーパーボウル。ベンガルズの3点リードで迎えた試合時間残り3分10秒、自陣8ヤードから始まった49ersの逆転勝利への一連の攻撃が、今も語り継がれる『ザ・ドライブ』だ。

 そして、このプレーの主役を演じたのが、49ersを率いた「生ける伝説」QBジョー・モンタナである。

 モンタナは1979年ドラフト3巡目・全体82位で49ersに入団。上背があったほうではなく(身長188cm)、強肩を持ち合わせていたわけでもなかったため、プロ入り前の評価はそれほど高くはなかった。

 しかしモンタナには、俊敏な動きとパスの正確さがあった。短いパスをミスなくつないで得点につなげる49erの「ウェストコーストオフェンス」にマッチしたことで、モンタナはQBとして頭角を現していく。

 そして、1982年の第16回、1985年の第19回、ザ・ドライブの生まれた1989年の第23回、そして1990年の第24回と、モンタナはスーパーボウルに4度出場し、4度ともチャンピオントロフィーを獲得。しかもモンタナは、そのうち3度もスーパーボウルMVPに輝いた。

 記録だけを見れば、ほかのスターQBのほうが上回っている部分も多いかもしれない。しかし、1981年の『ザ・キャッチ(※)』など記憶に残る名シーンの多さは、モンタナの右に出るものはいない。試合終盤に逆転劇を演出することから「モンタナマジック」と呼ばれるほど、数多くの逆転劇を生み出した。

※ザ・キャッチ=1981年にダラス・カウボーイズと対戦したNFCチャンピオンシップゲームで、モンタナがWRドワイト・クラークに逆転の決勝タッチダウンパスを決めたプレーの愛称。

 モンタナの爽やかなルックスもあいまって、国内でもNFL人気は一気に高まった。モンタナの日本での知名度は、40代以上には抜群に高い。NFLの衛星放送が1989年から始まったことに加え、1991年には出演料5000万円(推定)で、三菱電機のテレビ(ミラクルフェイス)、ビデオ(ミラクルプレイ)、ビデオカメラ(ミラクルショット)の「ミラクルシリーズ」のCMに起用されたからだ。

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