IOCも注目のハンドボール世界選手権。コロナ感染防止の「バブル」とは (4ページ目)

  • 田口有史●取材・文 text by Taguchi Yukihito
  • photo by Taguchi Yukihito/JHA(日本ハンドボール協会)

 国際ハンドボール連盟とエジプト世界選手権組織委員会は、ホテル、会場、国ごとの3つのバブルと、その空間をチームバスという移動空間バブルにて行き来するシステムで、4つの会場で開催しようとしている。当初は観客を入れる予定だったが、エジプト国外から訪れる各国サポーターがバブル外で過ごすことから、開幕数日前になって残念ながら断念され、無観客となった。バブル外のメディアも同様で、当初は一般のファンが立ち入れるエリアで試合を見ることができる可能性もあったが、リモート会見のみで会場内に入ることすらできなくなった。

 選手、スタッフの安全対策をしっかりと立て、直前までできる限り通常に近い形での開催の可能性を探りながら、最終的に引くところは引く。ギリギリでルールが変わるため、そして、執拗なPCR検査や消毒作業もあってストレスもある。外に出て日用品を補充するなどの気分転換もできず、選手たちは調整が難しい中、それでもホテル敷地内を散歩するなどして、少しずつ大会へのコンディションを整えつつある。

 ひとりも感染者を出さずに大会が無事に終われるように、またその中で日本代表が最大限の結果が残せるように、この世界選手権での成功は、先の見えないパンデミックの中で、今後の世界大会の開催への試金石となるかもしれない。日本代表の戦いとともに、注目してもらいたい。

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