2020.09.03

福原愛は1枚の写真と共に五輪に挑んだ。日本卓球初のメダルへの執念

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 個人の決勝から一日置いて始まった団体では、その勢いは続いた。石川が最初のヤマだと話していた準々決勝の相手ドイツは、10年世界選手権で日本と並んで3位に入ったチーム。石川は世界ランキング16位のウ・ジャドゥと対戦し、ゲームの取り合いになりながらも、最終第5ゲームはデュースの後、13対11で競り勝った。

 次の福原も、苦手とするカットの選手を相手に第1ゲームを先取されるも、第2ゲームからは立ち直って3対1で勝利。さらに、石川と平野が組んだダブルスは18分で勝利を決め、トーナメントを勝ち上がった。

 準決勝で対戦したシンガポールは、10年世界選手権で中国を破って優勝し、08年北京五輪と12年世界選手権は2位の強敵だった。勝てば銀メダル以上が確定する大事な戦い。勢いをつけたのが、今度は1番手で登場した福原だった。

 相手は個人戦で石川を破って銅メダルを獲得した馮だった。「手強い相手だと思っていた」という福原は、第1ゲームの後半にリードを奪われたが、最後は粘って11対9でゲームを先取。第2ゲームも11対6で取った。次の第3ゲームは取られたものの、最後まで競り合う展開だった第4ゲームは9対9から2ポイント連取して取り、団体にかけた執念をみせた。

 2番手の石川は、シングルス準々決勝で勝利している王越古(ワンユエグ)との戦い。自信を見せつけるようにサーブで攻め、3ゲーム合計で相手に13点しか取らせず圧勝した。そして、平野と石川で組んだダブルスでは、第2ゲームこそ競り合いになったが、他の2ゲームは3点と4点しか取られない強さをみせて勝利。ストレートで強敵シンガポールを破り、メダル獲得を決めたのだ。