NFL史上最高QBブレイディ電撃移籍。ペイトリオッツを離れた真相は? (8ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO


 正直、今の段階でブレイディ加入のバッカニアーズがどれほど「やれる」のかを予想するのは難しい。ただ、ブレイディの周りを固めるサポーティングキャストは悪くない。

 昨季リーグ3位のレシーブ1333ヤードを挙げたクリス・ゴッドウィンと、長身のマイク・エバンスのふたりはNFL屈指のWR(ワイドレシーバー)デュオだ。TEのキャメロン・ブレイトとO.J.ハワードもパスキャッチ能力に秀でている。QBジェイミス・ウィンストンが率いたオフェンスは昨季リーグ3位の1試合平均397.9ヤードを記録しており、爆発力がすでに備わっていることも示している。

 昨季のペイトリオッツは、中長距離のパスターゲットとなるアウトサイドWRが欠けており、ブレイディにストレスを溜めさせた。バッカニアーズは2015年ドラフト全体1番目指名のQBウィンストンをすげ替えてでも、ブレイディ獲得を決めた。オフェンス戦術に定評のあるブルース・アリアンズHCの指揮のもと、ブレイディがどれほどのパフォーマンスを見せるか興味深い。

 高校、大学、ドラフト......そして今回の移籍。なぜか不思議なことに、ブレイディへの期待はいつも低い。しかし彼は、それを糧としてきたからこそ、勝ってきた。

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