NFL史上最高QBブレイディ電撃移籍。
ペイトリオッツを離れた真相は?

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO


 ブレイディの個人成績も当然、華々しいものだ。

 通算勝利数は、QBとして歴代1位の219。通算パス獲得ヤードおよびTD(タッチダウン)数は、それぞれ74571ヤード、541TDでともに歴代2位。さらにシーズンMVP3度、14度のプロボウル選出と、書き出せばきりがない。引退から5年でプロフットボール殿堂の資格を得るが、1年目での殿堂入りは確実だ。

「この男は何かを持っている」

 当時からペイトリオッツのHC(ヘッドコーチ)を務めていたビル・ベリチックは、若きブレイディに将来の可能性を感じ、初年度からロスター入りを決めた。だが、もしそうでなければ、プラクティス・スクワッド(練習生チーム)に送られていたかもしれなかった。

 プロ2年目の2001年シーズン。ブレイディの先発の機会は、突如訪れた。シーズン第2戦目、元ドラフト全体1番目指名で1996年シーズンにはチームをスーパーボウルへと導いたドリュー・ブレッドソーが故障し、24歳のブレイディに出番が巡ってきたのだ。

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